ウラハラ藝大教授就任インタビュー
教授就任記念インタビューです。
コイケさんの染織家としてやっていくきっかけは何だったのでしょうか?
元々は大学でテキスタイル科に入って、織りや染めを習い、奇麗な色が染められる「染め」が楽しくて夢中になりやっていました。大学卒業後は、雑貨のデザインをする会社に就職したのですが、パソコンでデザインする会社の仕事が主になり、手仕事である「染め」をやりたい、このままやめちゃうのがもったいないなと思いはじめ、会社を辞めて、本格的に作家活動を開始して今に至ります。
やはりコイケさんは、色にとても敏感なんですか?
そうですね、最近は結構落ち着いたけれど、昔は色柄物をたくさん着ていました(笑)。敏感というか、色にはこだわりがありますね。基本は暖色系が好きで、そういった色は、作品制作にも良く使いますね。黄色、水色も染料で出すととても奇麗な色なので良く使ったりしますよ。
染色の魅力ってなんでしょうか?
布に染められることですよね。洋服を自分のオリジナルでつくるとか、なかなかできない事だと思いますから。難しさもあるんですが、例えば、同じ色がなかなかつくれないとか、配合を同じにしても微妙に違う色になったりとか。紙に絵を描いていくのと違って、上から色をつけたそうと思ってもなかなかできませんし。一発勝負、みたいなところが難しいかもですね。「染め」には古典的なものもあるのですが、私はもうちょっと現代風の染めを今の人たちに身近に体験して欲しくて、「染め」って奇麗だなと思ってもらいたいんです。それを意識して、ワークショップや作品制作をしています。
ウラハラ藝大では、どういったクラスづくりをしていきたいですか?
やはり初めての方々が多いと思うので、まずはハンカチとかブックカバーとか、もともと製品になっているものから「染め」を体験していただきたいですね。自分で染めた物を使う喜びや楽しさを味わってもらえたら嬉しいです。そして少し慣れてきたら作品みたいなものを作ってほしいなと思っています。布を染めて終わりではなく、その上から刺繍やコラージュをしたりして、壁にかけて飾っておける物を作れるといいなと思います。それにいろんな方にクラスに来ていただきたいですね。学生さんも、主婦の方も。たまには子どもだけでもやってみたいし、幅広くやっていきたいです。そういえば、前回特別クラスとしてやらせて頂いた時も、他のカルチャースクールと違って参加いただいた方が若い人が多かったので、そういった方たちにも自分で染めるって事を体験してもらいたいという気持ちはありますね。
ウラハラ藝大で興味のある教授やクラスってありますか?
「おいしい書道」とか、とても楽しそうでいいなと思います。あとはカラフルチルドレンかな。子どもたちとも一緒にやってみたいですね。いいクラス作りをされている教授を見習って、楽しいクラスにしたいです。
コイケさんの夢ってなんですか?
はは、そうですね。ちっちゃいショップとか持てたらいいなと思います。自分の作品だけではなくて、ハンドメイドでやっている作家さんとかのセレクトショップっていいですね。あとは、大きい作品もつくっているので、いろんなところ、いろんな人にみていただけるような作家になりたいですね。
どうぞよろしくお願いします。
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Photo&インタビュアー:ウラハラ藝大 瀬尾さん